モディファイドブリージング


種目名

モディファイドブリージング

仰向けで膝を立てた状態から、両膝を片側へ倒し、反対側の腕を斜め上に伸ばして、胸郭の片側に空気を入れるように呼吸するエクササイズです。


この種目の目的

この種目の目的は、胸郭、特に肋骨まわりの動きを引き出し、身体の片側に空気を入れる感覚を作ることです。

胸郭は肋骨・胸椎・胸骨で構成され、呼吸や肩の動きに深く関係します。胸椎は肋骨と連結しているため、胸椎や肋骨まわりが硬くなると、呼吸が浅くなったり、肩や腰で代償しやすくなります。

特にこの種目は、以下の目的で使いやすいです。

・肋骨の片側に空気を入れる感覚を作る
・胸郭の回旋可動域を出す
・胸、脇腹、肋骨まわりの硬さをゆるめる
・左右の呼吸の入りやすさを整える
・肩を上げる動きの準備
・胸椎回旋、胸郭回旋の感覚を作る
・デスクワーク後の胸まわりのリセット
・肋骨が開きやすい人、呼吸が浅い人の呼吸練習

オープンブック系のエクササイズは、横向き姿勢などで胸郭・胸椎の回旋を引き出すモビリティ種目として使われます。この動画の種目は、そこに「呼吸」を組み合わせ、吸ったときに胸郭の片側が広がる感覚を狙っている形です。


やり方

  1. 仰向けに寝る
    マットの上に仰向けになります。
    頭、背中、骨盤を床につけ、首や肩の力を抜きます。
  2. 両膝を立てる
    膝を曲げて、足裏を床につけます。
    足幅は腰幅くらいでOKです。
  3. 片方の腕を斜め上に伸ばす
    呼吸を入れたい側の腕を、斜め上にバンザイするように伸ばします。
    真上ではなく、やや斜め上に伸ばすことで、胸・脇腹・肋骨まわりが広がりやすくなります。
  4. 膝を反対側へ倒す
    伸ばした腕とは反対側へ、両膝をゆっくり倒します。

例として、右胸・右肋骨に空気を入れたい場合は、右腕を斜め上に伸ばし、膝は左側へ倒します。

  1. 反対の手を胸に当てる
    伸ばしていない側の手を、胸や肋骨の上に軽く当てます。
    手で胸郭の動きを感じながら行います。

この手は押しつけるためではなく、
「吸ったときに胸に空気が入るか」
「吐いたときに肋骨がしぼむか」
を確認するために使います。

  1. ゆっくり鼻から息を吸う
    鼻からゆっくり息を吸います。
    このとき、伸ばしている腕側の胸、脇腹、肋骨に空気を入れるイメージです。

動画内でも、吸った際に胸に空気が入り、拡張することがポイントになっています。

感覚としては、
・胸の片側がふわっと広がる
・脇腹の上側が広がる
・身体の半分側だけが膨らむ
という感覚を狙います。

  1. 口からゆっくり息を吐く
    口から細く長く息を吐きます。
    吐くときは、肋骨が自然にしぼむ感覚を作ります。

動画内でも、息を吐くときは肋骨が縮まることがポイントです。

  1. 丸まったり力んだりせず、呼吸を繰り返す
    姿勢を保ったまま、ゆっくり呼吸を繰り返します。
    吸うときは胸郭の片側が広がる。
    吐くときは肋骨がしぼむ。
    このリズムを丁寧に行います。
  2. 反対側も同じように行う
    片側が終わったら、腕と膝を反対にして行います。
    左右で空気の入りやすさが違うことがあるため、硬い側・入りにくい側は少し丁寧に行います。

回数・頻度

動画内の目安は、ゆっくり呼吸を7〜8回1〜2セットです。

初心者の場合は、5呼吸 × 左右1セットから始めてもOKです。

慣れてきたら、7〜8呼吸 × 左右1〜2セットを目安にします。

おすすめのタイミングは以下です。

・トレーニング前の呼吸リセット
・胸椎、胸郭モビリティの前後
・肩を上げるエクササイズの前
・デスクワーク後の姿勢リセット
・寝る前のリラックス目的
・左右で呼吸の入り方に差があるとき

呼吸練習では、最初は仰向け姿勢で行うと習得しやすいと紹介されています。


注意点

・腰を反らない
膝を横に倒すと、腰が反りやすくなります。
腰を反って胸を広げるのではなく、肋骨まわりが自然に広がる感覚を優先します。

・肩をすくめない
腕を斜め上に伸ばすと、肩が耳に近づきやすくなります。
肩はリラックスさせ、首を長く保ちます。

・腕を無理に床につけようとしない
腕が床につかなくても問題ありません。
無理に床へ押しつけると、肩の前側や首に力が入りやすくなります。

・膝を倒しすぎない
膝を深く倒しすぎると、腰や股関節に違和感が出る場合があります。
胸や肋骨に空気が入りやすい範囲で止めましょう。

・胸を張りすぎない
吸うときに胸を大きく張るのではなく、肋骨の横や背中側にも広がるようにします。
胸だけで吸うと、首や肩に力が入りやすくなります。

・反対の手で強く押さない
胸に当てている手は、動きを感じるためのものです。
強く押し込むと呼吸が入りにくくなります。

・呼吸を急がない
この種目は回数よりも、呼吸の質が大切です。
1呼吸ずつ、吸ったときに広がる場所、吐いたときにしぼむ場所を確認します。

・しびれや鋭い痛みが出たら中止する
胸や脇腹の伸び感はOKですが、肩の痛み、腰の痛み、腕のしびれが出る場合は中止してください。


よくある間違い

・吸うときに肩がすくむ
一番多い間違いです。
胸に空気を入れようとして、肩が耳に近づくパターンです。

修正ポイントは、
「肩の力を抜く」
「首を長くする」
「胸だけでなく、肋骨の横に空気を入れる」
です。

・腰を反って胸を広げている
胸郭が広がっているように見えても、実際は腰を反って代償していることがあります。
腰ではなく、胸・脇腹・肋骨が広がる感覚を探しましょう。

・膝を倒しすぎてフォームが崩れる
膝を床に近づけることが目的ではありません。
膝は、胸郭に呼吸が入りやすく、腰が痛くならない範囲まで倒せばOKです。

・腕を無理に床へ押しつける
腕を床につけようと頑張ると、肩の前側や首が緊張します。
腕は斜め上に長く伸ばすだけで十分です。

・胸に当てた手で押さえつけている
手で押さえすぎると、肋骨が広がりにくくなります。
手は軽く添えて、胸郭の動きを感じるだけにします。

・吸うときにお腹の前だけが膨らむ
お腹の前だけが大きく膨らむと、狙いたい胸郭の片側拡張が出にくくなります。
胸、脇腹、肋骨の横に空気を入れる意識を持ちます。

・吐いたときに肋骨がしぼまない
吐くときに肋骨が開いたままだと、次に吸ったときに空気が入りにくくなります。
口からゆっくり吐いて、肋骨が自然に縮まる感覚を作りましょう。

・呼吸が速すぎる
速く呼吸すると、胸郭の広がりを感じにくくなります。
7〜8回を急いでこなすのではなく、1回ずつ丁寧に行います。

・左右差を無視して同じ感覚を求める
左右で空気の入り方に差があるのはよくあります。
入りにくい側は、膝を倒す角度を少し浅くしたり、吸う量を小さくして、胸郭が広がる感覚を丁寧に探してください。