胸周りのストレッチ
種目名
胸周りのストレッチ
壁や柱に片手を斜め上45度くらいで当て、脚を前後に開いた状態から、身体を前方へ預けて胸の前〜肩の前側を伸ばすストレッチです。
この種目の目的
この種目の目的は、胸の筋肉である大胸筋や小胸筋、肩周りの三角筋前面を伸ばし、巻き肩・猫背姿勢で固まりやすい肩関節まわりを動きやすくすることです。
大胸筋は胸骨・鎖骨内側1/2から上腕骨の大結節に付着し、硬くなると上腕を内巻きにねじれさせ、巻き肩につながりやすくなります
小胸筋は、第3〜第5肋骨あたりから肩甲骨の烏口突起に付着し、肩甲骨の前方移動に関わる筋肉です。硬くなると、肩甲骨が前に引っ張られやすく、肩が前に巻いた姿勢につながりやすくなります。
特にこのストレッチは、以下のような目的で使いやすいです。
・巻き肩、猫背姿勢の改善準備
・胸の前側、肩の前側のつまり感の軽減
・肩甲骨を後ろに引きやすくする
・腕を上げる動作の前の準備
・デスクワーク後の胸まわりのリセット
・呼吸で胸や首に力が入りやすい人のリリース
・ベンチプレス、腕立て、ラットプルダウン前後のケア
胸周りの筋の短縮や硬さは、上腕骨・肩甲骨の動きに影響する要因のひとつと考えられており、肩甲骨の後傾や内外旋の動きにも関係するとされています。
やり方
- 壁や柱の横に立つ
壁、柱など、手を安定して当てられる場所の横に立ちます。
動画ではラックの柱に手を当てて行っています。 - 片手を斜め上45度に当てる
伸ばしたい側の手を、肩より少し高い位置に当てます。
目安は、身体に対して斜め上45度くらいです。
右胸を伸ばす場合は右手を壁へ。
- 腕の位置をキープする
上腕は斜め上の位置を保ちます。
肘は完全に突っ張りすぎず、軽く伸ばす程度でOKです。
肩がすくまないように、首は長く保ちます。 - 脚を前後に開く
足は前後に開きます。
壁に近い側の脚を後ろ、反対側の脚を前に出すと、身体を前に預けやすくなります。 - 身体を前に預ける
腕の位置を保ったまま、前の脚に体重をかけるように身体を前方へ移動します。
このとき、胸の前側〜肩の前側に伸びを感じます。 - 伸びる場所を確認する
狙いたい感覚は、胸の前、鎖骨の下、肩の前、脇の前あたりです。
動画内でも、このあたりに伸びを感じればOKという流れです。 - ゆっくり呼吸する
伸びを感じた位置で止まり、ゆっくり呼吸を繰り返します。
息を吐くたびに、胸の前側の緊張が少し抜けるような感覚で行います。 - 反対側も同様に行う
片側が終わったら、反対側も同じように行います。
左右差がある場合は、硬い側を少し丁寧に行ってもOKです。
回数・頻度
動画内の目安は、左右30秒ずつです。
基本的には、30秒 × 左右1〜2セットがおすすめです。
硬さが強い人は、20〜30秒 × 左右2〜3セットでもOKです。
おすすめの頻度は以下です。
・デスクワーク後:左右30秒
・トレーニング前:左右20〜30秒
・トレーニング後:左右30〜60秒
・巻き肩、猫背が気になる人:毎日1〜2セット
・胸トレ後のケア:左右30秒〜60秒
ストレッチは強く伸ばせば良いわけではありません。
痛みが出るほど強く行うより、10段階中4〜6くらいの「心地よく伸びる」強さで、呼吸を止めずに行うことが大切です。
注意点
・肩の前に鋭い痛みが出る場合は中止する
胸の前が伸びる感覚はOKですが、肩関節の奥にズキッとした痛みが出る場合は角度が合っていない可能性があります。
手の位置を少し低くする、身体を前に倒す量を減らすなどして調整してください。
・しびれが出るほど伸ばさない
腕や手にしびれ、ピリピリ感、重だるさが出る場合は、神経や血管にストレスがかかっている可能性があります。
その場合はすぐに中止してください。
・腰を反らせすぎない
胸を伸ばそうとして腰を反ると、肋骨が開き、腰に負担がかかります。
お腹を軽く締め、肋骨が前に飛び出ないようにします。
・肩をすくめない
手を高く当てたときに肩が耳に近づくと、首や肩の上側に力が入りやすくなります。
肩はすくめず、首を長く保ちましょう。
・身体をひねりすぎない
胸を無理に開こうとして、身体を大きく反対方向へひねる人がいます。
この種目は「ひねる」よりも「前に体重を預ける」意識が大切です。
・呼吸を止めない
ストレッチ中に息を止めると、胸まわりや首まわりが緊張しやすくなります。
ゆっくり吸って、ゆっくり吐く呼吸を繰り返します。
よくある間違い
・腕の位置が途中で下がる
身体を前に預けるときに、上腕が下がってしまう人が多いです。
上腕は斜め上のポジションをキープしたまま行いましょう。
・胸を張りすぎて腰が反る
胸を伸ばそうとして、腰を反らせてしまうパターンです。
腰ではなく、胸の前〜肩の前側が伸びているか確認してください。
・肩がすくむ
肩が耳に近づくと、首や僧帽筋上部に力が入りやすくなります。
肩を軽く下げ、首を長く保つ意識が大切です。
・身体を横にひねりすぎる
身体を大きく開くようにひねると、肩関節に負担がかかることがあります。
まずは動画のように、前の脚へ体重をかける動きで伸ばしましょう。
・伸ばす場所が肩の奥になる
胸の前ではなく肩の奥に詰まりや痛みが出る場合、手の位置が高すぎる、身体を入れすぎている、肩が前にずれている可能性があります。
手の位置を少し下げて、ストレッチの強度を弱めます。
・呼吸が浅くなる
伸ばすことに集中しすぎると、呼吸が止まりやすくなります。
30秒間、ゆっくり呼吸を続けられる強さで行うのが理想です。
・左右差を無視して同じ強さで行う
小胸筋の硬さは左右差が出やすいです。
片側だけ伸びにくい、肩が前に出やすい場合は、その側を少し丁寧に行ってください。

