45度クラムシェル

種目名

45度クラムシェル

横向きで寝た状態から、股関節を約45度、膝を約90度に曲げ、両足を揃えたまま上側の膝を開いていくエクササイズです。


この種目の目的

この種目の目的は、お尻の横側、特に中殿筋や股関節外旋筋群を使い、股関節と骨盤を安定させる力を高めることです。

中殿筋・小殿筋は股関節の外転や骨盤の安定に関わる筋肉で、片脚立ちや歩行時に骨盤を支える役割があります。中殿筋がうまく働かないと、膝が内側に入りやすい、片脚で骨盤がブレやすい、前ももや外ももに頼りやすい動きにつながることがあります。

クラムシェルは、股関節を曲げた状態で膝を開くことで、股関節の外旋・外転方向の筋肉を鍛える代表的なエクササイズです。実際に、クラムシェルは股関節外転筋群を強化する目的でよく使われるエクササイズとして研究でも扱われています。

特にこの種目は、以下のような目的で使いやすいです。

・お尻の横側を使う感覚を作る
・膝が内側に入りやすい人の改善準備
・スクワット、ランジ、片脚動作の前の活性化
・歩行時や片脚立ちで骨盤がブレやすい人の安定性向上
・前もも、外ももばかり使いやすい人のお尻の再教育
・反り腰や骨盤の左右ブレを抑えるための土台作り

ポイントは、膝を大きく開くことではなく、骨盤を動かさずにお尻で膝を開くことです。


やり方

  1. 横向きで寝る
    マットの上に横向きで寝ます。
    下側の手で枕を作り、頭を支えます。

頭、背中、骨盤が一直線になるようにセットします。
身体が前後に倒れないよう、真横を向いた姿勢を作ります。

  1. 股関節を45度、膝を90度に曲げる
    両脚を軽く前に出し、股関節を約45度曲げます。
    膝は約90度に曲げます。

動画内でも、股関節45度、膝90度が目安になっています。
この角度にすることで、腰を反りにくく、お尻の横側を狙いやすくなります。

  1. 両膝・両足を揃える
    スタート姿勢では、上側の膝と下側の膝を重ねます。
    両足も揃え、足がバラバラに離れないようにします。
  2. 上の手を腰に置く
    上側の手は腰、または骨盤に置きます。
    これは、膝を開くときに骨盤が後ろへ倒れていないか確認するためです。
  3. 下の脇と床の間に少し隙間を作る
    動画のポイントとして、下側の脇腹を床に潰しきらないようにします。
    下の脇と床の間に少し隙間を空け、体幹を軽く引き上げるようにします。

これにより、骨盤が床側に落ちにくくなり、体幹と骨盤を安定させたまま動かしやすくなります。

  1. 足を揃えたまま、上の膝を開く
    両足はくっつけたまま、上側の膝だけをゆっくり開きます。
    貝殻が開くようなイメージです。

このとき、上側のお尻の横〜後ろに収縮感が出ればOKです。

  1. 骨盤が動かない範囲で開く
    膝を高く開きすぎる必要はありません。
    骨盤が後ろへ倒れない範囲で開きます。

動画では、大体45度くらいまで開くことが目安になっています。
ただし、45度にこだわるよりも、骨盤が動かない範囲を優先してください。

  1. ゆっくり戻す
    膝を開いたら、力を抜かずにゆっくり戻します。
    戻すときも、お尻の力を抜き切らないようにします。

「上げるときだけ頑張る」のではなく、下ろすときもお尻に負荷を感じながらコントロールします。

  1. 一定のリズムで繰り返す
    ゆっくり丁寧に20〜30回を目標に行っています。
    反動を使わず、1回1回お尻の収縮を確認しながら行いましょう。

回数・頻度

動画内の目安は、30回 × 2セットです。

初心者の場合は、いきなり30回を目指すとフォームが崩れやすいので、まずは15〜20回 × 1〜2セットから始めるのがおすすめです。

慣れてきたら、30回 × 2セットを目標にします。

おすすめの頻度は以下です。

・トレーニング前の活性化:左右15〜20回ずつ
・お尻の感覚作り:左右20〜30回ずつ
・自宅ケア:週3〜5回
・下半身トレーニング前:1〜2セット

バンドを使う場合は、まず自重で骨盤が動かずにできるようになってから、膝上に軽めのミニバンドをつけると良いです。
最初から強いバンドを使うと、股関節ではなく腰や外ももに逃げやすくなります。


注意点

・骨盤を動かさない
この種目で最も大切なポイントです。
膝を大きく開こうとして骨盤が後ろに倒れると、お尻ではなく体幹の回旋で動いてしまいます。

手を腰に置き、骨盤が後ろへ転がらないように確認しながら行いましょう。

・足を離さない
クラムシェルでは、両足を揃えたまま膝を開きます。
足が離れてしまうと、股関節外旋の動きではなく、脚全体を持ち上げる動きになりやすくなります。

・腰を反らない
膝を開くときに腰が反ると、股関節ではなく腰で代償してしまいます。
肋骨と骨盤の距離を保ち、軽くお腹を締めたまま行います。

・体を後ろに倒さない
膝を開く動きに合わせて、上半身や骨盤が後ろに倒れやすいです。
身体は横向きのまま、上側の膝だけを開きます。

・下の脇腹を潰さない
下側の脇腹が床に潰れると、骨盤が傾きやすくなります。
動画のように、下の脇と床の間に少し隙間を作って、体幹を軽く保ちます。

・戻すときに力を抜かない
膝を閉じるときにストンと落とすと、トレーニング効果が下がります。
常にお尻に負荷を感じながら、ゆっくり戻しましょう。

・膝を開きすぎない
たくさん開けば効くわけではありません。
骨盤が動かず、お尻に効く範囲で止めます。

・股関節や腰に痛みが出る場合は中止する
お尻の横に効く感覚はOKですが、腰の詰まり、股関節前側の痛み、膝の痛みが出る場合はフォームが崩れている可能性があります。
その場合は可動域を小さくするか、一度中止してください。


よくある間違い

・膝を開くときに骨盤ごと後ろへ倒れる
一番多い間違いです。
これだと、股関節を開いているのではなく、身体を後ろにひねっているだけになります。

修正ポイントは、上側の手を腰に置き、骨盤が動かない範囲だけで膝を開くことです。

・お尻ではなく腰に力が入る
腰に力が入る場合は、腰を反っていたり、膝を開きすぎている可能性があります。
少しお腹を締め、膝の開く幅を小さくして、お尻の横に効く範囲で行いましょう。

・足が離れてしまう
足が離れると、クラムシェルではなく脚上げに近くなります。
両足は最後までくっつけたまま、膝だけを開きます。

・膝を速くパカパカ動かす
スピードが速いと、反動で動かしてしまい、お尻の収縮を感じにくくなります。
動画のように、ゆっくり丁寧に動かすことが大切です。

・開いたあとにストンと戻す
戻す局面で力を抜くと、負荷が抜けます。
閉じるときも、お尻に効かせながらゆっくり戻します。

・下の脇腹が床に潰れている
体幹が潰れると、骨盤が安定しにくくなります。
下の脇と床の間に少し隙間を作り、身体を長く保ちましょう。

・膝を高く開きすぎる
高く開くことを優先すると、骨盤が後ろに倒れやすくなります。
大体45度を目安に、骨盤が止まっている範囲で開きます。

・前ももや外ももばかりに効く
お尻ではなく前もも・外ももに効く場合は、股関節の角度や骨盤の位置がズレている可能性があります。
股関節45度、膝90度に戻し、上半身と骨盤が後ろに倒れないようにして行ってください。